滑舌練習

外郎売を現代風に言いなおしてみる その1

投稿日:2016年12月19日 更新日:

みなさん、こんにちは!

外郎売の暗記がなかなか難しいという方がいらっしゃるようなので、どんな内容のことを喋っているのか、書き起こしをしてみました。

(*わたしの理解の範疇で書いているところが多々あるので、間違っているところ、勘違いなどがあるかと思います。詳しい方がいらしたら、コメントなどでご指摘ください!よろしくです)

 

意味がわかると面白い

 

「憚りながら神宝万金丹、一帖三百だ、欲しくば買いな」泉鏡花『高野聖』

 

一説によると、無意味な文字列を丸暗記させた場合、24時間後の定着率はものすごく下がり、20%代になるそうです。

外郎売も、ただの音として「セッシャオヤカタトモウスハオタチアイノウチニゴゾンジノオカタモゴザリマショウガ……」と覚える場合は円周率を丸暗記するのと大差ないということになるかもしれません。

もし、これから暗記しようと思っている方、または、覚えにくくて挫折した経験のある方は、意味を絡めて情景を想像しながら口を動かすと覚えが早く、面白く滑舌トレーニングできるかもしれません。

 

外郎売[原文][読み方][今風の言い方]を書き起こしてみた

 

[原文][読み方][今風の言い方]

のように色分けして書いていきます。

薬売りが、道行く人にむかって「さてお立ち会い」とやっている様子を想像しながら読んでみてください。

お‐たちあい〔‐たちあひ〕【御立(ち)会い】 の意味
出典:デジタル大辞泉

その場に居合わせている人たち。縁日などで露天商が見物人に呼びかける言葉としても用いる。「さあ、さあ、御立会い」

おたちあい【御立(ち)会い】の意味 – goo国語辞書 より

拙者親方と申すは、御立会の内に
御存知の御方も御座りましょうが
御江戸を発って二十里上方
相州小田原一色町をお過ぎなされて
青物町を登りへおいでなさるれば
欄干橋 虎屋藤衛門
只今は剃髪致して 圓斎と名乗りまする

 

せっしゃおやかたともうすは
おたちあいのうちに 
ごぞんじのおかたもござりましょうが
おえどをたってにじゅうりかみがた
そうしゅうおだわらいっしきまちをおすぎなされて
あおものちょうをのぼりへおいでなさるれば 
らんかんばし とらやとうえもん
ただいまはていはついたして  えんさいとなのりまする

 

わたくしの薬売りの親分というのが、

ここに居合わせているみなさまのなかに知っている方もいらっしゃると思いますが、

東京(江戸)から歩いて西(上方)へ80キロ (20里)

神奈川県(相模の国)小田原の一色町というところを過ぎて、

青物町を西へいきますと、

欄干橋 の 虎屋籐衛門(とらやとうえもん) というのが居ります。

いまは出家いたしましたので頭を丸めて「円斎(えんさい)」と名乗っています。

(このえんさいというのが、わたしの親分なんですね)

 

 

元朝より大晦日まで、
お手に入れまする此の薬は、
昔珍の国の唐人
外郎という人、我が朝へ来たり

 

がんちょうよりおおつごもりまで
おてにいれまするこのくすりは 
むかしちんのくにのとうじん 
ういろうというひと、わがちょうへきたり

 

お正月から大みそかまで

みなさまのお手に入りますこの薬というのは、

昔、ちんのくにの中国人

ういろう、というひとが我が国へまいりまして

 

 

 

帝へ参内の折から、
この薬を深く込め置き、用ゆる時は一粒ずつ
冠のすき間より取り出す
依ってその名を帝より透頂香と賜る

 

みかどへさんだいのおりから
このくすりをふかくこめおき もちゆるときはいちりゅうずつ
かんむりのすきまよりとりいだす 
よってそのなをみかどより とうちんこうとたまわる 

 

帝のもとへ参内したとき

この薬を深々としまいこんで、使う時はひとつぶずつ

かぶりものの隙間から取り出したそうな。

そのため、その薬の名前を帝から「とうちんこう」と賜りました。

 

 

 

即ち文字には

「頂き、透く、香い」と書いて
「とうちんこう」と申す

 

すなわち もんじには

「いただき、すく、におい」とかいて

「とうちんこう」ともうす

 

つまり、文字で表すと

「頂き」「透く」「香い」と書いて

「とうちんこう」と言います

 

 

 

只今はこの薬
殊の外世上に弘まり 方々に偽看板を出し
イヤ、小田原の、灰俵の、さん俵の、炭俵のと
色々に申せども
平仮名をもって「ういろう」と記せしは
親方圓斎ばかり

 

ただいまはこのくすり
ことのほかせじょうにひろまり、ほうぼうににせかんばんをいだし
いや、おだわらの、はいだわらの、さんだわらの、すみだわらのと 
いろいろにもうせども
ひらがなをもって「ういろう」としるせしは
おやかたえんさいばかり

 

最近ではこの薬、

世間にひろまって、(有名になったおかげで)あちこちに偽物が出回っており、

いや~もう、小田原だの灰俵だのさん俵だの墨俵だのと、

いろんな偽の名を言うんですが、

平仮名をつかって「ういろう」と書いているのは

わたくしの親分(由緒正しい薬売りの親方)の、円斎だけでございます。

 

 

 

もしや御立会の内に、熱海か塔ノ沢へ湯治にお出でなさるるか
又は伊勢参宮の折からは、必ず門違いなされまするな

 

もしやおたちあいのうちに、あたみかとうのさわへとうじにおいでなさるるか
またはいせさんぐうのおりからは、かならずかどちがいされまするな

 

もし、ここにいらっしゃる方のなかに、熱海か箱根に湯治においでになるか、

または、伊勢にお参りにおいでになるときは、絶対(偽物と本物を)間違えないでくださいね

 

 

 

御上りなれば右の方、御下りなれば左側
八方が八棟、面が三棟玉堂造
破風には菊に桐の薹の御紋を御赦免あって
系図正しき薬で御座る

 

おのぼりならばみぎのかた おくだりならばひだりがわ
はっぽうがやつむね、おもてがみつむね ぎょくどうづくり 
はふにはきくに きりのとうのごもんをごしゃめんあって
けいずただしき くすりでござる

 

(本店は)上方へ上るなら右手のほうに、江戸の方へ下るなら左手に、

八方に八棟あり、表の方から三つ棟が見え、美しい宮殿のような造りで、

屋根の妻側には、菊の御紋、桐の薹の御紋をつかうことをご赦免(帝からおゆるしがある)されていて、

系図(家系、由緒、帝からの信頼)ただしい薬なのでございます。

 

 

長くなったので一旦ここで区切ります。

 

外郎売を現代風に言いなおしてみる (後半)

 

 


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